いや〜驚きました、大好きな冲方 丁(ウブカタ トウ)さん、SFな人とばかり思っていたので。
いきなり時代物、しかも評判上々じゃないですか、文庫化まで待てないってもんです。
イッキ読み、おもしろかった。主人公は、剣客でも忍者でも国盗りでも維新の人でもない、算術好きの囲碁打ちという、意表を突くお話。
若き主人公が人生を賭けて取り組むべきテーマと出会い、翻弄され挫折しながらも成長してゆくストーリー、読み応え有り。
高校生の時、放り出した数学をもう一度、勉強してみたいな〜なんてことを、一瞬でもオイラに考えさせるほどに、算術&天体&暦学へのロマン溢れています。堂々の吉川英治文学新人賞受賞作品。
ただし、マルドゥック・ヴェロシティが、大好きな冲方ファンとしては、少々もの足りないのも事実。本屋大賞ね〜.....。
著者自身が暦へと興味を引かれ、その歴史をずっと辿っていった結果がストーリーに落とし込まれたんだろうけど、少々「暦の歴史の説明」ぽいというか...もっと生身のヤリトリが欲しかったというか...。
ともあれ、冲方さんもこれで一段と懐広く、これからもオイラを楽しませてくれそうなことは、間違いなしです。
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