このごろカミさんが図書館から器関係の書籍をよく借りてくる。でも、それらに出て来る器というのは自分にはとても距離のあるモノで、なかなか観て楽しむまでには至らないものが多い。高級料亭の品書きを見ているような気分になってしまうのだ。
本屋でこの本がふと目につく、かなしい酒飲みのサガ。
この本はとても柔軟なつくりで威張ったところがない。筆者が好きで所有する酒器が、安いモノから高価なモノまで、名のあるモノから無名のモノまでとりまぜて紹介されている。どちらかというと、カワイイとさえいえる器の方が多いかもしれない。読んだからと行って骨董のお勉強にもさしてならない。
でも、気持ちよく飲めれば理屈じゃないんだ、と言いたげな肩の力の抜けた感が、とても心地いい。
この本を肴に、また酒を飲む...そんなことまで考えて、ついつい手に取ってしまったのだ。
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