SFは苦手だ。おもしろそうと思いつつも読み出してみると、なかなかその世界に入り込めなくて読むのを放棄してしまうことが多い。2003年に発表されたこの作品も、まわりの評判、寺田克也の表紙イラスト、ミヤジのオススメにもかかわらず、手を出しそびれていた。でも読み出してみるとSFというよりハードボイルド(関係ないけど、なぜか登場人物や組織名などは卵にまつわる言葉ばかりだ)、クライムといった雰囲気が濃厚でツイツイ引込まれた。世界観はブレードランナー、マトリックス、シンシティ、華やかだけど荒廃した未来、そう書いてて思ったけど実に映像的(悪く言えばいろんな映画のイイトコ取り)だ。また、オトコゴコロをくすぐるヒロイン像はちょいロリータ入ってて心に深い傷を負い、うまくコミニュケーションが計れない、露出の多くカラダにフィットした衣服。これじゃまるでリュック・ベッソン好み、そう世界観含めてフィフス・エレメントまんまやんけ! でもでもいいんですこのお話。孤独で異形の3人が少しづつ心を通わせてゆくんです。さりげない会話が胸を打ちます。アンドリュー・ヴァクスの「フラッド」なんかをも彷彿とさせます。圧倒的な力を持つ敵、炸裂する激情、胸を締めつける思い。3冊からなる本作品、まだ1冊しか読んでないけど、うぉ〜このあとどうなるんだ〜。
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