オールマン・ブラザース、1971年の作品。ただでさえロックには明るくないけど、どちらかというとブリティッシュ系が好きで、アメリカのサザンロックあるいはブルースロックと言われる分野はまったく未知の分野。クラプトンの「レイラ」のアルバムくらいしか知らんかった。
このアルバムは名盤中の名盤として「ロック百選」みたいなものには常に顔を出すアルバムだ。最近のDENONオーディオの広告にも使われ「巨大産業化して行くロック過渡期における良質な作品。大所帯の編成だが抑えたバンドアンサンブルを聴かせ、要所に起伏の激しいスライドギターが爆発する。未来永劫大人の鑑賞に堪える実況録音盤。」とまで紹介されている。なるほど、ホンマにすばらしいアンサンブル。ツインギターにツインドラム、ギター好きやバンド経験者には特にタマンナイ楽しさ、密度の濃さだ。もっと泥臭いロックを想像して聴いたけど、以外に洗練された音。熱いギターのインプロビゼーションが続き、中にはフュージョンぽいインスト・ナンバーもあった りして、マイルスがエレクトリック化していった時代、ロックもジャズもかなりクロスオーバーしていってたんだなってことがよく分かる。朝の6時まで続けられた演奏は演るほうもヤル方だが、要求する観客も凄いし、それを許すプロモーターもどうなってるんだろ。一体感と言うのもなんだか陳腐な表現だけど、確かに今の時代では考えられない音楽のパラダイスがそこにある。分かりやすくキャッチーなものだけが必要とされている昨今、原点回帰的なこんな音楽のあり方が新たな潮流として是非とも生まれてほしいものである。それにしても、こんなライブに居合わせた人々はホントしあわせ者だと思うし、なによりもジャケットのメンバーの笑顔がじつに素敵な一枚だ。
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