オイラは本来、ちょっとジ~ンとするような人情モノの噺が好き。でもこの2つの噺はそうではない。それでもついつい聴いてしまうのは志ん朝のノリにノッた話芸の巧みさ、勢いが圧倒的だからだ。聞き所はずばり黄金餅(こがねもち)の道中付けと大工調べ(だいくしらべ)の啖呵(たんか)。道中付けとは歩いてゆく行程を、街道、地名、お店、名所などの名を揚げながら説明するくだり、30秒ほどの長台詞を息もつかずにトント~ンと語りきってしまう。また啖呵の方も台詞が機関銃のごとく繰り出され、どちらも聴いてるだけで、つい顔がニヤけてしてしまうくらいの心地よさなのだ。ネリにネラれた芸というのはこういうのを言うのだろう、それにしても一回生で観たかった・・・。
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