「読まずに死ねるか! 」は
冒険小説/ハードボイルド小説の紹介本。
この本が発売されたのは1983年、
ちょうどオイラが学生の頃だった。
大学が休みに入ると、
ベースギター・ケースのポケットに
この本で知った「深夜プラス1」などの小説と
SONYウォークマンだけを突っ込んで
帰省していたのを覚えている。
それまで反発ばかりしていた父とも
少しずつ酒をとおして
会話できるようになったのもそのころだ。
「あの本はオモシテかった。」父の言葉。
帰省の度に、
オイラは読み終えた小説を残してゆき、
それを父は読んでいるようだった。
なんだか嬉しかったな。
小説についての感想は、
口数のけして多くない親子の数少ない話題だった。
内藤陳氏のおかげで、
冒険小説/ハードボイルドの世界と巡り会えたし、
父の知らない側面を覗くこともできた。
いまでは内藤氏も父も、もうこの世にはいないけど、
オイラも誰かの心にちょっとだけ、
何かをのこしてゆきたいな。
それがオイラのハードボイルド。
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