実はオイラ、18歳で一人暮らしをはじめるまでジイさん、バアさんとの三世代同居で育った。そこで小学校に上がるくらいまでは落語好きのジイさんにべったりとくっついて落語のTVやラジオを欠かさず聴いていた。それだから、落語に対しての違和感やマイナスイメージはまったくなかった。ただ、落語の番組は減る一方だし、積極的にチェックしなければ、それ以外への興味(ロックや映画やジャズやスポーツや女の娘)が優って、落語とはほとんど触れ合うことが無くなってしまっていた。いつまでもほっとくともう落語はどんどん遠くへいっちゃうんで、ここらでもう一度引き寄せねばと、ここにきてやっと重い腰をあげたわけだ。
ちょっと遅すぎたかもしれない、と思えるほど落語はスーッと身体に入って来た。落語復活ののろしを上げるのには、粋な話しっぷりが記憶のスミに残っている「志ん朝」から入ると迷わず決めていた。一枚を一人にやにやしながら聴き終えて感じたことは、ああ、この人を生で聴くことは絶対にないんだな〜というさびしさだった。
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