ダーク・ムーン/馳 星周
「明けない夜を男たちは走りつづける。待つのは、救いか?破滅か?」そう帯に書いてある。馳星周に救いがあるわけないじゃん!と突込みを入れつつ読みはじめた。いや〜おもしろかった。分厚い文庫上下巻いっきに読通しました。
それにしても、どうしてこう破滅的なお話が好きなんだろう?最近、さわやか路線を読んでたんでその反動もあると思うんだけど、このスピード感というか転げ落ち感というか、まさしくジェットコースター。読み出した途端に破滅への歯車がぎしぎしと動き出し、ゆっくりと頂上まで運ばれてるような気がしてゾクゾクした。そこにあるのはマネー・セックス・ドラッグ・血と暴力とわかってんだけど、それぞれの登場人物が次第に絡まりあって、のたうちまわる様には息がつけない。たぶん凄い顔して読んでんだろうなオイラ。先日、映画「オールド・ボーイ」を観た。こちらも救いのない話しなんだけど、その重さを受け容れきれず、気分が悪くなった。やっぱり映像の刺激は生々しすぎるからなのだろうか。
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