吉井和哉 / 39108

シングルカットの 「 Believe 」、たとえば有線などではじめて聞いても、ギターのみの出だし一小節だけで「これってヨシイ？」とピンと来るのではないだろうか。これだけ明解な個性にはそうそう出会えるものではない。

なのに、なのに、なんだかこのアルバムもの足りない。ドライブ感がないというか、グルーブ感がないというか、なんだか吉井和哉が一人でカラオケ歌っているような感じ。内面的な歌詞の曲が多いというのは理由ではない気がする。なにかバックの演奏が短調というか、面白みに欠けてヴォーカルと絡み合わない。別にイエローモンキーを求めているわけでは無いのだけれど、いまいち胸に迫ってくる感じがしない。いっそのことギター一本で歌ってくれてた方がよかったくらいだ。好きな曲もあるし吉井和哉の個性にも惹かれるけれど、この振り切れなさはナンなのだろう。この感じはバンドからソロになったミュージシャンに、よくつきまとう感覚（オイラだけ？）だ。・・・そうかオイラが聴きたいのはバンドサウンドなんだな、たぶん。なんか少しだけ腑に落ちたような気がする。